2009年は医療のみならず社会全体が大変な状況でスタートする年になりました。未曽有の金融恐慌は実体経済の不況へと進展し、不運な失業者が増加し社会不安さえ現実のものになりつつあります。この社会状況が明らかになる以前から医療の世界では医療崩壊と言われる現象が発生していましたが、それが一層進行し、地域医療・救急医療の衰退や崩壊、安全確保の問題、訴訟とくに刑事訴訟問題、若手医師のメジャー科離れや医療環境の悪化には憂慮すべきものがあります。しかしこうした中で、光が見えるところもあり、たとえばあれほど医師や医療者を悪と扱っていたメディアも医療費や医療環境を改善しなければという論調にシフトし始めている例が多くみられるようになりました。政治や経済の世界でも医療費を含めた社会保障費を抑制することへの反省が出てきています。
CCTでは今年も一人でも多くの患者を救うことに焦点を絞って学べる場を提供したく思います。またそうした患者本位の医療を守るための知恵を得るセッションも併せて行います。多くの熱い臨床家のご参加を期待しています。
CCT2009 当番世話人 米田正始 (名古屋ハートセンター)