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CCT Surgicalにて生じた死亡症例に関して

 去る9月22日・23日、ライブ手術カンファレンスCCT Surgicalを開催し、豊橋ハートセンターから3例、高橋病院から3例の心臓血管手術症例を、神戸国際展示場の学会会場にライブ中継いたしました。そのプログラムの中で、豊橋ハートセンターから中継された解離性胸腹部大動脈瘤に対して行なわれた手術で、手術中に重篤な合併症が発症し、術後2日目に患者様がお亡くなりになる事例が生じましたことをご報告いたします。

 

 CCT Surgical世話人一同、患者様のご冥福を深くお祈りいたす次第です。 手術は下行大動脈、腹部大動脈置換と肋間動脈、腹部分枝再建が完遂されましたが、その操作中、それまで健常と思われた弓部大動脈から上行大動脈にかけて逆行性解離が生じました。それに対して急遽、大動脈基部置換、上行・弓部置換が引き続き施行されましたが、解離が左冠動脈にまでおよんでいたため、心不全のため永眠されました。

 

 この合併症が発症するまでの手術は、出席者200人以上のライブ会場に放映されており、その手術内容および執刀医の経験量・力量・準備状況に対してCCT Surgicalの世話人として、なんら懸念はありませんでしたが、ライブ手術はその性質上、究極の情報公開であり、今回起こりました事例に関して、事実確認、手術も含めて周術期患者管理の妥当性、そして再発防止について、第三者委員会にて公正に評価を仰ぐことが必要不可避と考えております。その事が今後のライブ手術カンファレンスの方向性を今一度明確に認識するとともに、本来心臓血管手術に内包する危険性をどう認識し、対処し、不幸にして発生した最悪の事態をどう受け止め、対応するかの一つの回答を模索し、提示することにつながると確信しており、それがわれわれ世話人の責務かと考えております。

 

 具体的には、日本心臓血管外科学会 高本眞一理事長に報告、相談し、調査を依頼いたしました。平成18年10月1日に開催される日本心臓血管外科学会 医療安全管理委員会(上田裕一委員長)で構成員、調査方法等の対応を決定のうえ調査が行なわれますが、その進行状況等CCT Surgicalへの通達事項はすべて本ホームページで掲載する予定です。

 

 今回の事例をただ残念な結果に終わらせることなく、このライブ手術にご協力いただきました、患者様とご家族にどう納得いただけるのかを第一に考えながら、対処していきたいと思います。関わられるすべての方々にご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

 

平成18年9月27日

CCT Surgical Course Organizing Committee

大川育秀(豊橋ハートセンター)

米田正始(京都大学)

南淵明宏(大和成和病院)

夜久 均(京都府立医科大学)



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